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【フリゲ】『ざくざくアクターズ』レビュー!仲間を集めて王国を築け!【95点】

      2015/08/10

タイトル:『ざくざくアクターズ
ジャンル:仲間ざくざく型RPG
点数:95点


「ざくアク」タイトル画面

自分達の居る世界とは異なる世界から人・物を召喚する。そんな技術が当たり前のように普及している世界。

召喚士達は願望・欲望、あるいは単なる好奇心で、多くのモノを召喚した。そして生じる供給過多。一方的に呼び出されたにも関わらず、仕事もやるべきことも与えられない被召喚者たちは、やがて社会からあぶれていく。

居場所を失った彼らのことを、いつしか人々は「ハグレ」と呼ぶようになった。

――この物語は、そんなハグレ達が自分達の居場所を作っていく物語。

始まりはたったの2人。小さなハグレの国王と、それを支える参謀が居るだけの、国と呼ぶことさえおこがましいようなスタートライン。それでも彼女は一歩を踏み出した。「ここにハグレ達の王国を作る」と言って。

「ざくアク」イベントシーン

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仲間との協力が勝利の鍵?『ざくざくアクターズ』レビュー!

というわけで『らんだむダンジョン』の作者として知られる はむすた氏 の新作RPG『ざくざくアクターズ』のレビューをしようと思う。

 

いきなり結論から言わせてもらうが、本作『ざくざくアクターズ』は、前作『らんだむダンジョン』の魅力であった「やりこみ要素」や「高難易度ながらもテンポの良い戦闘」に加えて、シナリオ・キャラクター性を更に向上させた傑作RPGであった。

前作に引き続き、このような傑作をフリーゲームとして提供してくれた はむすた氏 に対し、最大限の賛辞を送りたい。

 

以後、『ざくざくアクターズ』の魅力について語っていこう。

 

前衛と後衛の使い分けがカギ! 8人パーティーで強敵に打ち勝て!

戦闘中の高速化機能や、雑魚戦闘ではゲームオーバーにならない仕様など、前作『らんだむダンジョン』に見られたプレイヤーのストレスを軽減させる仕掛けは本作でも健在だ。

これらの仕組みに加えて、本作では『8人パーティーシステム』という新たな戦略要素が組み込まれている。前衛4人、後衛4人。スキル構成や属性・ステータス異常耐性が異なる各メンバーを切り替えながら戦うことで、強敵に対しても勝利できるようになっているのだ。

 

この辺りのシステムについてもう少し詳しく話しておこう。

実際のところ、多人数パーティーを組み替えて戦うというシステム自体は、そこまで目新しいモノではない。本作の凄さは、多人数パーティーで挑む必然性が高まるように、敵・味方の能力が調整されている点だ。

 

いくつか実例をあげよう。

本作では戦闘中に使える全体回復スキルが非常に少ない。その数少ない全体回復スキルにしても、使用するのに高いMP・TPが必要といった制限がついており、毎ターン全体回復を連打して粘り勝つというゴリ押しプレイはできない。

その一方で「メニューリカバー」というメニュー画面でのみ使用できる低コストの回復スキルが用意されている。

これらのスキル設計は、本作において戦闘中における回復行為が推奨されていないことを示している。少なくとも雑魚戦においては。

それよりもダメージを受けたら回復せずに前衛・後衛を入れ替えて戦闘を継続し、戦闘終了後に「メニューリカバー」で回復するといった立ち回りが有効だ。本作では中盤から終盤にかけてMPが枯渇する場面が多くなるので、こういったMPの節約術の活用は必須といっていい。

ざくアクのメンバー入れ替え場面

 

その他、敵が使用してくるスキルについても、多人数パーティーの活用を前提としたバランス調整が施されている。

本作のボスの多くは、特定の溜めモーションをした後に強力な必殺技を放ってくるのだが、この威力が尋常でない。終盤に出てくる強ボスには、こちらが防御をしているにも関わらず、MAXHPを上回るようなダメージを叩き出してくる奴もいるし、凶悪な全体状態異常技を放ってくる奴もいる。

こんな強力な必殺技を使ってくる相手にどうすればよいのだろうか。ここでも多人数パーティーの有効活用が求められる。

本作では登場キャラクターごとに属性耐性・状態異常耐性が異なる。またキャラクターによっては、特定属性の攻撃に対し回避・反撃を行うようなスキルを持つものがいる。これらのキャラクターを上手く入れ替えながら、敵の凶悪な技を上手くいなしていく必要があるのだ。

 

多人数パーティ、全体回復の制限、溜めモーションありの凶悪スキル。個々の要素としては特に目新しくもない、ありふれたものだろう。しかしながら、これらの要素を組み合わせることで、「8人パーティーシステム」であることの必然性が上手く表現されていた

このあたりの調整の妙が、本作『ざくざくアクターズ』の戦闘面における凄みといっていいだろう。

 

王国育成で更に強化されたやりこみ要素!

本作における主人公達の目的は「仲間を集めて王国を大きくすること」だ。

このことはゲームシステムにも反映されていて、王国の成長がゲームを攻略する上で大きな鍵となっている。

本作品のユニークなシステムとして、「王国会議」というものがある。この「王国会議」は言ってしまえば集めた仲間たちの活動報告のようなものだ。この会議中に起こるプチイベントによってパーティのステータスが向上したり、冒険の役に立つアイテムを手に入れたりすることができる。

 

また、「王国会議」の重要な機能の一つに、仲間達からの「施設提案」がある。

読んで字の如く、集めた仲間達による「こんな施設を王国に作りませんか?」という提案だ。この提案を受理することによって、王国に新たな機能が追加されていく。

追加される施設は千差万別。お金を生み出してくれる店舗型の施設もあれば、レアアイテムを取得出来るタイプ・パーティの能力を向上させるタイプの施設もある。王国内に大学を設立することができるようになれば、更なら研究・強化が可能となるだろう。

 

こういった王国の発展度合いは、フィールドマップ上で一望することができる。多くの仲間を集め、大きく成長した王国を眺めたときの感動はひとしおだ。

王国フィールドマップ

ストーリー面は大幅強化? 自らの居場所を勝ち取らんとするハグレ達の雄姿を見よ!

前作『らんだむダンジョン』がダンジョン探索メインのRPGだったのに対し、本作『ざくざくアクターズ』はかなりストーリーを重視した作品に仕上がっている。「ハグレ達の王国を作る」という一貫した目的が存在していることが大きいだろう。

2人がはじめた小さな小さな王国が、やがて周辺の国々から一目置かれるまでの一大勢力になるまでの展開はなかなかに見ごたえがあった。

 

特に、時折差し込まれるシリアス展開の出来が素晴らしい。というか、ズルい

本作のシナリオは、前作同様コメディタッチのやり取りが多い。個性豊かな面々が各々好き勝手に暴れまわって、それを苦労人気質のツッコミ役が必死にまとめている。そんなお約束のやり取りが、とても愉快で愛おしい。

だからこそ、時折差し込まれるシリアスイベントが胸に響く。そして認識させられるのだ。彼・彼女達が、社会から見放された「ハグレ」であることを。

ぶっちゃけると、私は本作をクリアするまでに2回は泣いた。泣きそうになった回数であれば、もう少しいくかもしれない。

親友とのすれ違い。優秀であるが故に生じる周囲との軋轢。そんな展開が好きな方には、特にオススメ度の高いストーリーだと思う。そうでない人にもぜひ一度プレイしていただきたい。面白可笑しい日常パートと、ハグレ達の本質に関わるメインシナリオパート。緩急の付け方が非常に巧みなので、きっと楽しめるハズだ。

 

「デーリッチ」というキャラクターとハグレ達のあり方について

最後に本作品の主人公であり、ハグレ王国の国王でもある「デーリッチ」について語りたい。

不似合いな王冠を被り、「でちでち」と五月蝿い変なガキ。プレイ開始時点における、私のデーリッチに対する認識だ。ハッキリ言ってしまえば、第一印象は悪い部類だったと思う。「はむすたさん、ちょっと滑ってるんじゃないの?」とすら感じていた。

 

とはいえ、こういった悪い印象はプレイを進める中で自然と消えていった。子供じみたやかましさは相変わらずであったが、それ以上に持ち前の明るさと、様々な事情を抱えたハグレ達を受け入れる度量の大きさが魅力的に感じられた

 

「ハグレ王国の王様はやっぱりデーリッチでないとな」

そんな風に思い始めた頃、ある事件が起こる。デーリッチが一人異世界に飛ばされてしまうのだ。

仲間も王国も失ったデーリッチ。当然、移転先の世界に住む人々の反応も冷たい。

「ハグレのガキがどうなろうが知ったこっちゃない」「でちでち五月蝿い変なガキなんて、利用するだけ利用して捨てるだけ」

物語冒頭よりハグレ王国というハグレに好意的な環境を中心に進んできた本作において、初めて一般人のハグレに対する認識が描写されたイベントだった。

デーリッチに親しみを感じ始めた身としては憤りを感じるシーンだろう。しかし、よくよく考えてみれば、デーリッチのことを「でちでち五月蝿い変なガキ」と嫌悪していたのは、他ならぬ自分自身ではなかったか。

ここに至って、自分の中のハグレ達に対する認識が随分と変わってしまっていることに気づいた。端的に言えば、「ハグレ達の王国を作る」というデーリッチ達の理想に感化されていたのだ。

 

本作のテーマともいえる「ハグレ達の居場所を作る」こと。これにはハグレ王国を大きくすることは勿論、一般社会におけるハグレ達の地位向上も含まれるだろう。

デーリッチの個性的な性格付け、一般人のハグレに対する認識を物語中盤まで伏せていたシナリオ構成。どこまで作者の意図したものだったのかはわからない。

しかしながら、結果として本作の構成は、「ハグレと一般人の関係」を私に強く意識させ、更に「ハグレ達が安心して暮らせる居場所作り」という作中の目的に共感させることに成功したともいえる。

 

ある意味において、本作をプレイするということは、作中世界における一般人のハグレに対する認識を追体験することに等しい

最初は「鬱陶しいだけの変なガキ」と思っていたのが、彼女達の活躍を見守るにつれて「デーリッチ頑張れ! ハグレ王国頑張れ!」と感じるまでになっていたのだから。

 

本作『ざくざくアクターズ』は仲間を集めて王国を大きくしていくゲームだ。それと同時に、プレイヤーである貴方自身にも、王国の仲間となることを要請してくるゲームでもある。

 

というわけで……

貴方も『ざくざくアクターズ』をプレイして、ハグレ王国の一員となろう!
個性豊かな仲間達と、ドキドキワクワクの冒険が待っているぞ!


『ざくざくアクターズ』をプレイする方はこちら。
(Vectorの作品ページに飛びます)

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