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【フリゲ】ダンジョン探索RPGの古典『Nepheshel』を今更レビュー!【72点】

      2015/07/05

タイトル:『Nepheshel
ジャンル:ダンジョン探索RPG
点数:72点


ネフェシエルのタイトル画面

今日はフリーゲームにおけるダンジョン探索RPGの古典的名作、『Nepheshel(ネフェシエル)』の紹介をさせて頂く

この『ネフェシエル』が公開されたのは2002年の6月のこと。公開開始から10年以上の月日が流れているが、多くのダンジョン探索型RPGに影響を与えた古典的名作として、未だにその名前を耳にすることが多い作品だ。

『ネフェシエル』の影響を受けたとされる作品は数多く存在する。それらの中には『イストワール』『魔王物語物語』というようなフリーゲーム界を代表するような名作も多く含まれている。

詳細については後述するが、戦闘難易度を高めに設定しつつも、それを避ける手段を提供することで、「ダンジョンを探索すること」それ自体の楽しさを再発見したことこそが、本作品が以後のフリーゲームに与えた大きな光明と言えるだろう。

 

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徹底してミニマムな『ネフェシエル』という作品のあり方

『ネフェシエル』は、フリーゲームにおける「ミニマリズム」とは何かを体現した作品の一つだと思う。

長ったらしいイベントは存在しない。キャラクター同士の会話も最小限であり、登場する人物たちがどのような人物かは、ダンジョン内に散らばる様々な本から得られる断片的情報を元に、プレイヤー自身が想像するしかない。ゲームの舞台にしたって、さして大きくもない島ひとつで完結してしまうような有様だ。

しかし、これらの要素は『ネフェシエル』という作品の小ささを示すものではない。むしろ、『ネフェシエル』という作品の「自由度の高さ」や「プレイヤーが考察する楽しさ」といった魅力を生み出すのに一役買っている。

それはさながら宝石のカッティングのごとく。無駄を削ぎ落とすことで、より輝きが増すかのような、そんな職人の矜持すら感じさせるシンプルさが、本作品の大きな魅力である。

 

『ネフェシエル』が伝えたかったものは何なのか?

さて、徹底して無駄を削ぎ落とすことで作品のコンセプトを際立たせることに成功した『ネフェシエル』であるが、本作品がそこまでして表現したかったコンセプトとは一体何だったのだろうか?

実際のところは作者本人にしか分からないことであるが、私が想像するに、それらは大きくわけて二つある。

一つは「ダンジョンを探索する」ことの喜び。
もう一つは「プレイヤーの数だけ物語は存在する」ということ。

前者については、本作品のゲームシステムと併せて後ほど説明しよう。先に2つ目の狙いについての補足説明をさせて頂きたい。

最初に述べておくが、『ネフェシエル』には、いわゆるコンシューマー系の大作RPGのような「しっかりとしたストーリー・ドラマ」は存在しない。それらは本作品が削ぎ落としてきたモノの中に含まれるからだ。

しかしながら本作品の「物語」には、多くの人を惹きつけてやまない「何か」がある。それも実際にプレイし、クリアした者にしか分からないような「何か」だ。

言ってしまえば、本作品はプレイヤー自身を映し出す鏡のようなモノだ。プレイヤーの願いに応じて、本作品の「物語」はいかようにも姿を変える。さながら「汝が深淵を覗き込むとき、深淵もまた汝を覗く」がごとく。ゲームをしている貴方自身を、「ネフェシエル」もまた覗き見しているかのように。
(もっとも本作品において覗き込むのは鏡でも深淵でもなく「壷」であるが)

ネフェシエルのダンジョン選択画面

もし貴方がネタバレを気にしない性質であれば、今すぐ「ネフェシエル 考察」でググって見ればよい。実に多種多様なネフェシエルの解釈を見ることが出来るだろう。

 

『ネフェシエル』における戦闘とダンジョン探索のあり方

さて、散々順番が前後してしまったが、そろそろ「ネフェシエル」という光が照らし出したダンジョン探索のあり方について語るとしよう。

結論から言ってしまえば、本作品では戦闘によるレベリングがさほど重要でない。その一方で、ダンジョンを探索し、装備を整えることが非常に重要となっている。

具体的に見ていこう。

まず、本作品の戦闘難易度は比較的高めに設定されている。序盤のダンジョンであっても、軽はずみな気持ちで踏み込めばアッサリ全滅してしまう程度には難易度が高い。

闇雲に進めば全滅必死の高難易度である一方、装備を整え、各種属性や各種状態異常の耐性を付けることで、戦闘の難易度を大幅に下げることが出来る。この辺りのゲームバランスの取り方は実に絶妙だ。

耐性装備の中には店売りされている物もあるが、基本的にはダンジョン内に隠された宝箱から入手していくことになる。つまり戦闘に勝つために戦闘を避けてダンジョン奥地の宝を目指すというプレイスタイルが必要となる。本作品が採用しているシンボルエンカウントシステムは、この手の戦闘を避けながらダンジョンを進んでいくプレイスタイルと素晴らしく相性がいい。

戦闘および探索に関わる様々なシステムが渾然一体となり、「ダンジョン探索に集中出来る仕組みを作っている」のが、『ネフェシエル』の凄みである。

そう。あくまでメインはダンジョン探索なのだ。数多のトラップ、散りばめられた隠し部屋、それらの先に眠る財宝。このようなダンジョン探索中の発見こそが『ネフェシエル』の醍醐味であり、モンスターとの戦闘なんてものは、ダンジョンを構成する一障害でしかないのである。

ネフェシエルのダンジョン

一つ一つは取るに足らない要素であろうが、それらを上手く束ねることで、本作品はダンジョン探索RPGのあり方を再発見・再構築したと言ってもいい。

 

今あえてプレイする価値があるかは微妙か?

とまぁ、巧みなゲームバランスの取り方で、後のフリーゲームにも多大な影響を与えた『ネフェシエル』であるが、これからフリーゲームを始めようという方にオススメ出来るかというと正直微妙である。

本作品が如何に名作といえども、時の流れには抗えない。流石に2002年公開のゲームを2015年の今になってするには、色々と古臭さが目に付くだろう。

更に言えば、『ネフェシエル』が後の作品に与えた影響の大きささえも、新規プレイヤーにとってはある種のマイナス要素となり得る。

ハッキリ言ってしまえば、『ネフェシエル』と同じようなコンセプトで生み出され、『ネフェシエル』よりも洗練されたゲームというのは、今となってはそれほど珍しいものではないからだ。

例えて言うなら、新参フリーゲーマーが『ネフェシエル』をプレイしようとすることは、英語学習者がラテン語から学び始めるようなものだ。その歴史的価値は誰もが認めるものの、実用的観点から見れば無駄以外の何物でもない。そんな感じである。

もっともゲームなんてものはどこまで言っても趣味である。実用性や効率性で語られるべきものではない。ゲームとして破綻しているとしか思えないレトロゲーが突如脚光を浴びることもある。

結局のところ、本作品をプレイする価値があるかどうかは、貴方自身が決めることだ。

フリーゲームにおけるダンジョン探索RPGの古典にして、シンプルながらも様々な顔を持つ『ネフェシエル』の物語。その真実に挑む覚悟が出来たなら、ぜひともご自身の手でプレイしてみて頂きたい。

『ネフェシエル』という魂の一作。きっと貴方の魂にも響く「何か」があるはずだ。

 


『ネフェシエル』のダウンロードはこちら。(Vectorのダウンロードページに飛びます)

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