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月の利権 | 新聞コラム斜め読み-2013年12月17日-

      2015/05/20

米国、ソ連以来初となる月面着陸を中国の無人探査機が成し遂げたらしい。意外だったのは前回月面着陸に成功したソ連の無人探査機ルナ24号から、今回の中国の嫦娥(じょうが)3号が月面に登場するまでに37年もの月日が経っていること。

今回中国がミッションを成功させるまで、アメリカ・ロシアの2大国以外が月に辿りついていないことも意外だが、それ以上に宇宙開発の最先端を行くアメリカ・ロシアまでもが37年もの間、月に直接関わることをしていないことに驚いた。もっとも身近な天体である月だが、米露にとってはもはやそれほど関心を持つ対象ではないのかもしれない。

このニュースは12月18日付朝日新聞天声人語でも取り上げられている。徒然草の一節やガリレオの逸話などを引きながら我々にとって月がいかに身近な存在であったかを示している。同時に宇宙開発の中で神話や俗説が葬られていき、夢とロマンの象徴だった月が利権確保の対象となっては困る、とも。

さて、中国・利権と揃えば気になるのは領有問題。あまりイメージ先行で物事を語るのもどうかと思うが、昨今の動向を踏まえれば今回のニュースを聞いて、近い将来に中国が月の領有を主張することはないだろうか、と勘繰ってしまうのも仕方ないことではなかろうか。

月の領有に関しては「月その他の天体における国家活動を律する協定」にいかなる国家も月を領有することはないと明記されている。

が、この協定、調べて見ると批准国が予想以上に少ない。致命的なのはアメリカやロシアなど宇宙開発が盛んな国で批准している国が一カ国もないこと。悲しいことだが宇宙開発能力の無い小国が、他国の牽制のために批准・署名しているというのが実情のようだ。

また、この協定で規定されているのは、あくまでも国家の領有に関してである。個人・民間企業の領有に関しては規定されていない。実際にアメリカのルナエンバシー社はこの穴をついて月の土地の権利書売買を行なっている。

いずれにしても、技術が進歩し月への行き来が容易になったり、月で新しい資源が見つかるなどの事態が起これば、月は誰のものでもない等という綺麗ごとは通じなくなってしまうのだろう。

夢・ロマンの象徴である月を、無法地帯の代名詞に変えないためにも、月の権利について各国が真剣に話し合う時期になっているのかもしれない。

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