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【フリゲ】東方二次創作RPG『東方自然癒』に二次オリの極意を見た【87点】

      2015/06/07

タイトル:『東方自然癒
ジャンル:東方プロジェクト二次創作RPG
点数:87点


東方自然癒画像

 

二次創作におけるオリジナルキャラクターの立ち位置というものは実に難しい。

突然何を言い出すんだと思われた方もいるだろう。しかし、今しばらく私の戯言に付き合って欲しい。
大丈夫。この『東方自然癒』にもちゃんと関わってくる話だから。

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さて。話を二次創作におけるオリジナルキャラクター(以下、オリキャラ)の話に戻す。

二次創作におけるオリキャラの何が難しいって、原作キャラとのパワーバランスを常に考慮して登場させなきゃいけないって所だ。これが非常に面倒くさい。

とはいえ、この面倒くさい調整をいい加減に扱うような二次創作オリジナル(以下、二次オリ)作品は総じて駄作だ。

言うまでも無いことだが、二次創作というのは、その前提として原作の世界観・設定というものが常に先立つ。

そして、その原作作品が緻密に計算された良作であればあるほど、その世界観は非常に繊細なバランスの上で成り立っていることが多い。

調味料の配分を少し間違えただけで全く別の料理になってしまうような、そんな繊細さを、良質な創作物は内包している

二次オリ作品というのは、そんな繊細な代物に対して、オリキャラという異物を遠慮なくぶち込んでいくわけだ。ある意味、これほど業の深い創作活動もそうそう無いだろう。まさに「上質な料理にハチミツをぶちまけるが如き~」といったところだ。

オリキャラという異物をぶち込まれた作品がどうなるか。これは登場させたオリキャラの魅力・能力によって2パターンに分類される。

追加したオリキャラが魅力的かつ有能なキャラだった場合はどうなるか。端的に言えば原作キャラが霞む。このような作品に対してユーザーが抱く感情は「二次創作である必要なくね?」「オリキャラを目立たせたいならオリジナル作品でやれよ」辺りだろうか。

一方、オリキャラが地味・無能だった場合はどうだろうか。簡単だ。「居ても居なくても大差ないような奴をわざわざ出すな」である。

上記は大雑把な括りであるが、世の大部分の二次オリ作品は、この2つのパターンのどちらかに陥ってしまっている場合が多い。

 

さて。前置きが長くなったが、ここらで本題である『東方自然癒』の話を始めよう。

本作品『東方自然癒』の主人公、瀬笈 葉(せおい は)は、原作には登場しないオリジナルキャラクターである。

つまり『東方自然癒』は二次オリと称される作品群に属するフリーゲームというわけだ。そう、先ほど長々とその難しさを説いた二次オリ作品の一つなのである。

では、この『東方自然癒』も原作の世界観やキャラクター間のパワーバランスをぶち壊すような駄作なのだろうか?

否! 断じて否!

この作品の何が凄いって、原作作品の世界観やパワーバランスを崩すことなく、ごくごく自然な形でオリジナルなキャラクター、ストーリーを組み込んでいる点がすさまじい

 

本作品の主人公、瀬笈 葉は植物の妖怪である。

植物の妖怪といってもフラワーマスター風見幽香のように強力な妖怪ではない。

そこらへんにある名も無き草花が妖怪となったような、そんなか弱い妖怪である。

 

東方自然癒

 

このキャラクター設定は、ゲーム上のパラメータに設定されており、物語開始時点での葉のステータスは、パーティメンバーの霊夢や魔理沙に比べて明らかに劣ったものとして設定されている。

原作の主要キャラ達が持つ「格」を守ったような形だ

無論、主人公が弱いままでは話が盛り上がらない。仮に葉が弱いまま大した活躍もせずに物語が終わるのであれば、わざわざオリキャラを出さずに素直に霊夢と魔理沙に異変解決させておけば良かったのに、という評価になっていただろう。

というわけで、物語中盤の特訓イベントにおいて、葉に大幅な強化が行われる。それこそ霊夢や魔理沙といった主要キャラに肩を並べるくらいに。

と、ここまで読まれた人の中には、次のように思われた方もいるかもしれない。
「ただの妖怪がちょっとばかし特訓した位で霊夢達に追いつくのは不自然だ。結局オリキャラ贔屓の駄作ではないのか」と。

そう、この強化は不自然なのである。そして、この不自然さに対する答えが『東方自然癒』の中に用意されているのだ。

下級妖怪の葉が主人公なワケ。短期間の特訓で葉が霊夢達に追いつけたワケ。

これらの不自然さの理由は全て作中にて明かされる。
そして、これらの謎が明かされたとき、貴方は初めて『東方自然癒』の始まりと終わりを知るのだろう。

ネタバレになるため、これ以上の詳細は書かない。

しかし、これだけは繰り返し伝えさせて貰いたい。

この『東方自然癒』という作品は、二次創作作品にオリキャラを登場させる困難さを上手く回避しつつ、いや、むしろ逆手に取ることで、物語に説得力を持たせることに成功した、稀有な作品であると。

いや、ほんと、二次オリ作品でここまで上手いこと原作キャラの「格」を保ちつつ、オリキャラが活躍する必然性や魅力を構築している例は、そんなに多くはないよ?

大体、どっちかが抜けてて駄作となっている場合が多いから。

というわけで、二次オリ嫌いの方にも是非一度、手を伸ばして頂きたい作品である。

 

おっと、ここまでゲームそれ自体に関することを一切書いていなかった。
最後になってしまったが、本作のゲーム性について簡単に触れておこう。

本作『東方自然癒』は、純粋なRPG作品としてみても完成度の高い代物だ。

特徴のある成長システム、綺麗なエフェクトが飛び交う戦闘、実績を解除することで入手出来る強力なレア装備や、豊富に用意された隠しボスの存在などなど、やり込み派のゲーマーをも唸らせるだけのポテンシャルは持っている。

東方自然癒画像

東方二次創作作品としてではなく、純粋なRPG単体としても十分に楽しめる作品と言えるだろう

個人的オススメ度の高いフリーゲームである。是非一度プレイを。


『東方自然癒』をダウンロードされる方はこちらから(Vectorの作品ページに飛びます)

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